こんにちは、次郎作こと布施田泰之です。
ついに僕も医師5年目、小児科3年目となり、小児科後期研修の最後の年となりました。
参考書レビューは研修医でおしまい!と思っていたのですが、
小児科を勉強してみると「小児科はこどもの内科」ということを思い知り、
膨大な小児科の守備範囲の中で、入門書や参考書で効率よく勉強できることも多かったです。
専門医になれば論文とかがメインになるから参考書を買うのは減るのかなぁと思ってたのですが、
結局、
2年で108冊の参考書を購入して参考にしました。
前回好評だったジャンルごとにランキングでお伝えする方式で書こうと思います。
一応全国の若手医師が見れるようにブログに書きますが、
どこで後期研修するかで相当研修内容が違うと思うので、
基本的には成育の後輩に向けて書くイメージで書かせてもらいます!
以下、自分に関連する参考書のところを読むようにしてもらうと便利だと思います。
目次
↓クリックすると、そのページまで移動します!
①ER(救急外来)で役立つ参考書 16冊
第1位!!!
1位 ”PALS(小児二次救命処置)プロバイダーマニュアル”
・10段階評価
★★★★★★★★★★
・感想
小児科の専門医を名乗るなら必須、といっても過言ではない参考書です。
PALSのコースは受けなくても、この参考書の内容は学んでおくべきだと思います。
PALS(小児二次救急処置)プロバイダーコースとは、分かりやすく言うと、こども版のACLSといった内容で、小児科や救急科がこどもの蘇生や緊急対応をするときに必要な知識やフローチャートを学ぶためのコースになっています。
特徴は、AHA(アメリカ心臓協会)とAAP(アメリカ小児科学会)が共同でやっているコースなだけあり、蘇生の対応を機械的に覚えるだけではなく、病態を把握しながらやや特異的な治療に進んでいくという流れがあることだと思います。
受講料も5,6万して、この参考書も1万5千円と高いのが難点ですが、
参考書もダラダラと長いようにみせかけて読み込んでみると、学ぶことがたくさんちりばめられています。
特に成育はシミュレーションで定期的にPALSの考え方を実践する機会もあるので、僕は2回は通読して、覚えられないところは5回くらい読んで復習していました。
とてもおすすめの参考書です。
第2位!
2位 ”小児科外来の鑑別診断術 迷った時の道しるべ”
・10段階評価
★★★★★★★★☆☆
・感想
小児科は、大人の救急外来やウォークインで学んできた鑑別疾患と全く違います。
また、小児科といっても年齢によって鑑別疾患が違ってきます。
そのため小児科として働き始めた最初は、症候ごとに再整理して覚えなおさないといけません。
その時に、以下で紹介する参考書を何冊も読んで勉強していたのですが、腹痛・下痢・嘔吐などのメジャーどころの鑑別疾患がしっかりあがっていて、分かりやすく記載していたので、この参考書を鑑別診断系で一番最初に紹介しました。
これまでオススメしているブログもなければ、先輩もいなかったですが、実際につかってみてよかったので上位に書きました。
第3位!
3位 ”徴候から見抜け!小児救急疾患”
・10段階評価
★★★★★★★★☆☆
・感想
小児救急でとても高名な市川光太郎先生編集の鑑別疾患の参考書です。
2位の参考書と比べ、こちらは小児救急らしくmust rule outや陥りがちなpit fallに重点を置いて書いてくれています。
救急車対応や3次救急まで対応しているような場合は、特にしっかり読むと勉強になると思います。
第4位
4位 ”小児救急の基本 「こどもは苦手」を克服しよう!”
・10段階評価
★★★★★★★★☆☆
・感想
去年まで成育の救急にいらっしゃった、とても教育熱心な鉄原先生という若手小児救急医の編集の参考書です。
鉄原先生の哲学が詰まった本なので、1章と2章は診察の仕方やPALSの説明などに割かれており、やや鑑別疾患や症候学の参考書としては内容が少なめです。
しかし、軽度の外傷も受け入れてる成育のERに即した内容のため、外傷の評価や、こどもの頭部外傷の対応、挫創の洗浄・縫合の仕方、肘内障や骨折の対応、などちょこっとした外傷の対応について書いています。
実は、小児科の鑑別疾患・救急外来本はやはり内科の内容しかないことが多いので、こういった内容までカバーしているものは珍しくとても勉強になります。
第5位
5位 ”HAPPY! こどものみかた”
・10段階評価
★★★★★★★★☆☆
・感想
とてもいい参考書です!診察ポイントから鑑別疾患まで網羅されており、小児外来の最初1冊としてオススメの参考書です。
しかし、とても有名かつ分かりやすいので、できれば初期研修のうちに出会って読んでおいてもらいたいくらいの必修度と考えているので、今回後期研修1年目へのおすすめ参考書としては下の方に書きました。
もし、まだ買っていなくて読んだこともないならば、上記の本たちより先に通読することをお勧めします。
第6位
6位 ”「ぱっと診」でわかる!小児の一発診断 100”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
症候ごとに内容があるわけではなく、100の簡単な典型的な症例とその答え・解説、といった内容で読み物としてとても面白かったです。
少し勉強したり外来を経験してから、クイズ感覚で読むと、付随する知識や意外と知らなかった知識が増えるので面白いと思います。
第7位
7位 ”帰してはいけない小児外来患者”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
この参考書は内容はとてもいいのですが、読むタイミングがとても大事な参考書です。
基本的に、救急外来に慣れてきた数か月経験した後に読んでください!
pit fallをつくような典型例からは少し離れた症例の紹介が多いので、まだ外来があまり分かっていない初期の段階で読んでも得るものがほとんどありません。
実は僕も、初期研修の時と後期研修になってからの2回この参考書を通読しているのですが、1回目は「こんな稀なこと、しらね~」と思って読み飛ばしてましたが、実際に小児科として救急外来をある程度やってから読むと、「これ忘れがちだけど、確かに大事だよね!」とか「あ、この前おれこれ確認してなかった!あぶな!」などとリアリティをもって、内容を教訓にかえることができます。
第8位
8位 ”帰してはいけない小児外来患者2 子供の症状別 診断のアプローチ”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
これもおすすめです。実は、今回紹介する以外にも鑑別診断系の参考書でオススメじゃないボツ本が4冊くらいあるので笑、今回紹介するER系の参考書は評価が高めです。
前作の症例提示の特徴は引き継ぎながら、症例提示に引き続いて各症状のレッドフラッグサインを中心に、診断へのアプローチを書いています。
特徴は、とても読みやすいことで、通読しながら学ぶ参考書としてはとてもレベルが高いです。
第9位
9位 ”よくみる子どもの皮膚疾患”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
子どもは、アトピー性皮膚炎、川崎病、溶連菌、手足口病、伝染性膿痂疹など、皮疹が出る疾患がたくさんあります。
しかし、僕もそうでしたが、皮膚疾患に自信ある言えるヒトは少ないと思います。
この参考書はどうやら成育の皮膚科で長年勤務されていた先生が書いた本の様で、写真がいっぱいで子どもの皮膚疾患について詳しく書いてあり、とても勉強になりました!
昔、伝染性膿痂疹の典型例が外来にきて、全くなんの疾患か分からず「皮膚科行ってください」としか言えなかった自分がなつかしいなぁ。
第10位
10位 ”アトラスさくま 小児咽頭所見”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
もはや参考書というより写真集といってもよいくらいの芸術作品で、知る人ぞ知る名著です。
内容は、小児科外来の現場で20年間のどの所見とウイルス分離や細菌培養の結果とをすり合わせ続けた集大成であり、各ウイルス感染による咽頭所見や溶連菌感染による咽頭所見などを大きなカラー写真と共に書いています。
よく見比べると同じ咽頭所見でも、原因微生物によって所見が異なることに感動してしまいます。
第11位
11位 ”小児症候学89″
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
周りのみんながオススメでいい!と口をそろえて言っていたので買って参考にしてみましたが、確かに全てをフローチャートに落とし込んでいるのはよいのですが、
逆に見にくいことがあったり、そのフローチャートの説明が十分ではなかったりで、個人的にはそんなに使いやすい!毎回使いたい!という使い勝手ではありませんでした。
好みがあるようなので、一度中身をみてから買うといいと思います。
第12位
12位 ”小児のかぜの薬のエビデンス”
・10段階評価
★★★★★★☆☆☆☆
・感想
僕が尊敬している小児科医×疫学者でブロガーのDr.kid先生(https://www.dr-kid.net/)が今回参考書を出すということで、とても期待して楽しみにしていた参考書です!
しかし、内容は「かぜ薬にエビデンスは乏しい」という分かりきったことを、
「とても正確に」書いてくれただけの参考書でした。
メタアナリシスの読み方などの解説は面白かったですが、
この参考書を読んだからといって明日からの診療が変わる、ことはありません。とても期待していただけに残念でした。
第13位
13位 ”外傷処置・小手技の技&Tips”
・10段階評価
★★★★★★☆☆☆☆
・感想
こどもが転んで作った顔の傷を、誰が縫うかは病院によって違いますが、成育では小児科医が縫合します。
小児科は基本的には内科なので、縫合はほかの場面ではしないことが多いですが、こどもの専門家として縫合できるに越したことはないです。
できるだけきれいに縫ってあげたいところなので、縫合が一番うまい形成外科の先生が書いた参考書で勉強するといいと思い、読んでみました。
傷を縫う小児科医に参考になる部分は、この参考書の1/3くらいなものですが、傷はどう治っていくのか、形成外科の考え方を勉強出来てよかったです。
第14位
14位 ”小児整形外科テキスト”
・10段階評価
★★★★★★☆☆☆☆
・感想
骨折、肘内障、単純性股関節炎や化膿性関節炎など、救急外来では整形外科にコンサルトすること多いです。
処置自体は整形外科の先生にお願いすることが多いですが、この日本小児整形外科学会の出している参考書で、整形外科としての考え方などを学んでおくことはとても勉強になります。
第15位
15位 ”小児の薬の選び方・使い方”
・10段階評価
★★★★★★☆☆☆☆
・感想
症候と疾患のどちらの切り口からも簡潔に書いており、とても分かりやすく例えば他科志望の初期研修中の小児科ローテ中などに使うなら、とてもおすすめです。
しかし、内容がやや簡潔すぎることもあり、専門医が参照する本としてはややおすすめ度は下がります。
第16位
16位 ”内科医・小児科研修医のための小児救急治療ガイドライン”
・10段階評価
★★★★★★☆☆☆☆
・感想
症候・疾患別に小児救急の教科書的な内容が書いてある本です。
とてもコンパクトにほとんどの症状や疾患を網羅しているので、使いやすいのですが、専門医としてはもっと知りたい!と思ってしまうかもしれません。
調べる入口として一度読んで概要をつかむ、といった使い方としては便利だと思います。
②病棟で役立つ参考書 15冊
第1位!!!
1位 ”小児疾患診療のための病態生理”
・10段階評価
★★★★★★★★★☆
・感想
小児科専門医となると、徐々に疾患に関してはuptodateや有名ジャーナルのreview、成書の原書、problemに応じて調べた英語論文、などを参照するようになると思うのですが、最初はやっぱり日本語で書かれた参考書を読んで、内容を勉強するのが一番効率がいいです。
治療法などは年々変わってしまうことがあるのですが、病態をふまえた疾患概念は基本的には変わらないことが多く、その病態から詳しく書いてくれているこの参考書は、疾患別で書いてくれている参考書の中で一番勉強になりました。
出会う疾患の全てで、この参考書を読むようにしていくととても疾患の理解が深まると思います。
僕も最初はこの参考書含め、複数冊の参考書を日本語で読んで小児の疾患を勉強してました。
第2位!
2位 ”小児臨床検査ガイド”
・10段階評価
★★★★★★★★☆☆
・感想
これは代替するほかの参考書がないという意味で上位にランクインしています。
白血球数はもちろんのこと、クレアチニンや甲状腺ホルモンなど、小児の中でも正常値が変わっていく検査値は色々とあって、各検査値ごとの正常値や、小児・年齢を重なることによる変化の特徴を書いてくれています。
検査値で困った時は、たいていこれをみるようにしています。
第3位
3位 ”小児気管支喘息治療・管理ガイドライン”
・10段階評価
★★★★★★★★☆☆
・感想
このガイドラインは小児科で一番みるガイドラインかもしれません。
喘息発作は救急外来、病棟管理のどちらでもたくさんみるので、気管支喘息の病態から急性期対応、コントローラーの使い方など、この本をベースに勉強するといいと思います。
初回喘鳴・反復性喘鳴の鑑別や乳児喘息の対応などについても、詳しく記載されており、とても勉強になるので1年で何回も開くことになりそのほとんどを読むことになると思います。
第4位
4位 ”小児臨床検査のポイント 2017″
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
小児の検査値についての参考書には上記した「小児臨床検査ガイド」という名著があり、僕も小児科1年目はそれを参考にしていたのですが、項目によってはさらに詳しい内容が書いてる本書をみつけたので購入して読んでみました。
この本もとても勉強になります!
小児臨床検査ガイドとどちらも手元に置いておいて、勉強したい検査値についてどちらともで調べるようにすると補い合って勉強になると思いました。
特にこの本は小児における正常値だけではなく、疾患特異性や検査値の意味の部分から解説してあるのでより詳しいことが書いてあることが多いです。
是非、一度参照してみて下さい!
第5位
5位 ”最新ガイドライン準拠 小児科診断・治療指針”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
最新のガイドラインに準拠するように書かれた内容の参考書で、2017年に出版された参考書です。
こちらも初めて出会う疾患で毎回読むようにすると勉強になり、1位の参考書より簡潔で分かりやすいため、僕はこっちを一読してから1位の参考書も読むようにしていました。
これも徐々に参照する回数は減ってきますが、最初の勉強にはいいと思います。
第6位
6位 ”川崎病のすべて (小児科臨床ピクシス)”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
川崎病も入院施設に集まるので、診る施設ではある程度の頻度でみることになると思います。川崎病はアジアで多いだけあって、英語で探しても大してよい文献などはみつかりません。
なので、日本語でしっかりまとめてあるこの1冊を読むとかなり理解が深まります。
例えば、動脈瘤ができるのは発症第12病日くらいという事実は知っていても、その時の病理所見がどうなっているのか、などは知らない人も多いと思います。川崎病をより詳しく診れるようになる1冊です。
第7位
7位 ”川崎病学”
・10段階評価
★★★★★★☆☆☆☆
・感想
川崎病に関しては「川崎病のすべて」という有名な小児科臨床ピクシスシリーズで取り上げられていますが、今回2018年に”日本川崎病学会”が参考書を出した、ということで購入して読んでみました。
しかし、あまり「川崎病のすべて」を超える内容はありませんでした。
”病因論”の部分は詳しくて、読んでいるだけで面白かったです。
最近は、川崎病のことを調べる際に、ピクシスとこの本の2冊で調べています。
第8位
8位 ”ネルソン小児科学 原著第19版”
・10段階評価
★★★★★★☆☆☆☆
・感想
小児科の成書として名高いネルソンですが、実際に使い勝手がいいかと言われるととても微妙です。
やはり、日本語訳の最新版が2015年の出版であり、最新の内容かと言われるとそうでもなく、日本の医療というよりアメリカの教科書、ということも原因のひとつです。
しかし、やはり詳しく書いてある内容もあるので、時折参考にするときもあります。
第9位
9位 ”小児急性中耳炎診療ガイドライン 2018年版”
・10段階評価
★★★★★★☆☆☆☆
・感想
推奨抗菌薬にオラペネムが明記されているなど、少しいわくつきのガイドラインですが、中耳炎の診療を考えるうえで一度勉強する価値はあるガイドラインです。
耳鼻科学会が作っているだけあって、鼓膜所見が重視され、鼓膜切開も積極的に行われるような流れとなっています。
どのように小児科医としての診療につなげるかは、自分で勉強してみてください。
第10位
10位 ”小児科ステロイドの使い方・止め方・続け方”
・10段階評価
★★★★★★☆☆☆☆
・感想
ステロイドの使用が長期になってきたときの漸減の仕方について決まった方針がなかったので、この本を買って読んでみました。
ステロイドの薬理作用から説明があり、小児における使用方法や、副作用として気を付けておくべき症状などが取り上げられていました。
メチルプレドニゾロンの方が肺への分布が優れているため気管支喘息ではメチルプレドニゾロンを使用する、などは知らない知識でした。
第11位
11位 ”小児の症候群”
・10段階評価
★★★★★★☆☆☆☆
・感想
成育で働いていると、聞いたこともないような症候群や遺伝子異常の既往のある小児を担当します。そういった疾患は稀すぎて、基本的に参考書には載ってないことが多いです。
そんなときに参照できる数少ない参考書です。内容は簡潔なので、難病情報センターのサイトの情報と合わせて、本当に最低限はおさえるようにしていました。
第12位
12位 ”遺伝医学への招待”
・10段階評価
★★★★★★☆☆☆☆
・感想
小児科として働くと、成人ではあまりなじみの少なかった、染色体異常や遺伝子異常による疾患を受け持ったり診断することが出てきます。
その際に、G-bandとかFISH法とかの検査の意味などを理解しておかないと話についていけないなることがあり、その勉強のために読みました。
遺伝学の基本的な知識から復習でき、検査法についても簡単にイメージがつきます。
第13位
13位 ”こどもの検査と処置の鎮静・鎮痛”
・10段階評価
★★★★★☆☆☆☆☆
・感想
こどもはじっとして検査や処置を受けることができないので、鎮静や鎮痛が必要となり、多くの病院ではリスク管理が甘い状態で鎮静鎮痛薬を使っていることが多いです。
実際の薬剤投与や対応が大きく変わるわけではないですが、鎮静に際してのリスクやリスク評価の事前に勉強しておくとより深く理解したうえで鎮静や鎮痛に臨めるようになります。
第14位
14位 ”低形成・異形成腎を中心とした先天性腎尿路異常(CAKUT)の腎機能障害進行抑制のためのガイドライン”
・10段階評価
★★★★☆☆☆☆☆☆
・感想
小児は尿路感染症の治療に際して、背景の基礎疾患がないかの検索が大事になってきます。そのためこの参考書を買ったのですが、内容ペラペラです。DMSAの解釈で勉強になったくらいでしょうか。
NICEやAAPガイドラインなどを勉強するか、施設ごとの尿路感染症時の検査の流れを確認しておく方が大事だと思います。
第15位
15位 ”トンプソン&トンプソン遺伝医学 第2版”
・10段階評価
★★★☆☆☆☆☆☆☆
・感想
遺伝子異常の勉強をしようと意気込んだ時にかった教科書ですが、かなり専門的であまり使えませんでした。
ほんとに数回だけ辞書的に使いましたがその程度です。
興味がある人は内容を確認の上、購入するのが良いと思います!
③小児一般外来で役に立つ系 4冊
第1位!!
1位 ”小児心身医学会ガイドライン集”
・10段階評価
★★★★★★★★★☆
・感想
成育の外来ローテではバイブルとなる一冊です(他の病院では分かりません)。
救急外来ではなく、小児科の外来で対応する心身症と言われる疾患に対する対応のガイドラインです。
小児科になる前に思っていたよりも、何倍も多く心身症としての頭痛や腹痛を訴える子どもや、不登校の学校を休む理由としての頭痛、気持ちの問題と思っていたら身体的に起立性調節障害があった、などの症例を目にします。
小児科医として、こういった問題をかかえた子どもに対する対応も勉強しておくべきだと思います。
起立性調節障害に始まり、不登校診療ガイドライン、心身症としての頭痛や腹痛などに対する対応も書いてあります。
不登校に対する対応など、本当に答えのない世界で自分なりの答えをみつけていってください!
第2位!
2位 ”夜尿症診療ガイドライン2016″
・10段階評価
★★★★★★★★☆☆
・感想
入院では診ることのない夜尿症も、このガイドラインで頻度を確認すると7歳で10%、10歳で5%、15歳以上で2~3%とかなりの頻度であり、命に別状はないとはいえ自尊心を下げることで人生にいい影響を与えないことがわかっています。
このガイドラインは、ガイドラインの中ではかなり読みやすく、確認すべき症状や分類、夜尿症の治療の流れなどがとてもわかりやすいです。
夜尿症の子の外来をする時には、絶対一度は読まないといけない内容になっています。とてもおすすめです!
第3位
3位 ”小児・思春期の頭痛の診かた”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
小児の頭痛は、二次性を除外してからが長いです。
この本では、小児における片頭痛の特徴や、小児での予防薬の使い方、起立性調節障害との合併、周期性嘔吐症候群や腹部片頭痛との関連など、小児の慢性頭痛の診かたを書いてくれたとてもわかりやすい本です。
小児の頭痛は、心理的な面や起立性調節障害・片頭痛など色々と複雑にからみあって出ていることもあるため、色々と背景を知っておく必要があります。
あまり小児の頭痛だけで解説している参考書は少ないので、とても勉強になりました。
第4位
4位 ”小児科医が知っておきたい 夜尿症のみかた”
・10段階評価
★★★★★★☆☆☆☆
・感想
上記の夜尿症のガイドラインで治療方針は分かっても、夜尿症の経過は長いため具体的にはどうやって対応していくのがよいのかは成育の1ヶ月半の外来ローテでは掴めません。
この参考書は、ある程度典型的な8ケースを使って実際の診療の流れを紹介する中で、夜尿症のみかたを教えてくれる良い本です。
ただ、夜尿症専門医といっても過言ではないような先生の本なので「期待膀胱容量」などは詳しすぎる可能性があります。
④重症心身障害児関係の参考書 5冊
第1位!!!
1位 ”重症心身障害療育マニュアル”
・10段階評価
★★★★★★★★☆☆
・感想
「こんな参考書が欲しかった!」と成育で1年間後期研修をして、ついに最近見つけた参考書です。
医学的に、筋緊張の病態や治療法についてや、栄養の目標の決め方など書いてくれている参考書で、こういった内容の参考書を実は1年間探し続けていました。
以下に紹介する参考書は、看護やケアがメイン(これも相当大事)だったり、ソーシャルワーク的な内容だったり、医学を超えた範囲を学ぶときに役立つ参考書で、実は医学的なことをしっかり書いてくれている参考書になかなか出会えなかったのでした。
小児科医として、医学的なことを勉強するのも大切なので、この参考書はおすすめです。
同率第1位!
1位 ”病気をもつこどもと家族のための「おうちで暮らす」ガイドブック”
・10段階評価
★★★★★★★★☆☆
・感想
この本は、重症心身障害児と触れあうすべての小児科医に読んでほしい1冊です。
この本は元々は、重症心身障害児を持った両親に向けて、重症心身障害児とその家庭を知り尽くした小児在宅医療を専門にしている小児科の先生が、多くの重症心身障害児の親たちからの声を取り入れて書いた本です。
入院中からどうやって自宅で暮らせるように準備していけばいいのか、や、生活を支えるどういった職業や制度があるのか、などリアルに自宅での暮らしや自宅への退院を考えられるように書いてあります。
特に成育は、そういったお子さんに接することも多く、退院調整をすることも多いため、そこに対してできるだけ具体的に分かっておくと話がスムーズにいくことが多いです。
第3位
3位 ”重症心身障害児・者 診療・看護ケア実践マニュアル”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
この本は成育の先輩から名著と語り継がれている参考書です。
こちらはやや医学的な内容から看護のケアの話まで幅広く扱っており、特に重症心身障害児では途中から医学的な介入よりも看護ケアの重要性が増すため、とても勉強になる参考書です。
嚥下が難しい人への飲み込みやすい姿勢の話や、胃瘻の管理についてなど、実際問題となる内容について詳しく書いてくれています。
この参考書もとてもおすすめです。
第4位
4位 ”実践!!小児在宅医療ナビ”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
この本は小児在宅医療の教科書を目指して書かれた本で、NICUから退院への流れや職種別の役割や在宅での手技やケアについてなど、網羅的に書いてあります。
個人的には、著者の前田先生含め小児在宅医療の黎明期を支えたドクターたちの座談会の内容を読んで、泣きそうになりました。
第5位
5位 ”小児在宅医療の現状と展望”
・10段階評価
★★★★☆☆☆☆☆☆
・感想
成育の先生が数人執筆しているため読みましたが、本の厚み通りやや内容は薄めでした。
⑤感染症系の参考書 8冊
第1位!!!
1位 ”小児感染症の診かた・考えかた”
・10段階評価
★★★★★★★★★★
・感想
最近出版されたこの参考書も「トリセツ」も2冊ともよい参考書なのですが、個人的な好みでこちらの方に星10個の満点の評価をしています。
参考書200冊中、まだ2−3冊にしかつけていなかった満点をここでつけました。
トリセツ同様に、抗菌薬の1つずつの特徴や、肺炎・中耳炎・蜂窩織炎など項目ずつの解説もしっかりしており、全体的に分量も多いことからトリセツよりも詳しいです。
またchapter4に書かれている「月齢による発熱の対応の仕方」に関しては、
救急外来で悩むことや、自分の中でしっかりとしてルールにできていなかった部分をしっかり説明してくれていて、
さらに自分の診療をブラッシュアップすることができました。
「この年齢層では呼吸器症状がなくてもoccult pnuemoniaを疑ってX線をとる」など、ちゃんと決められている人はどれだけいるでしょうか。
Hibや肺炎球菌のワクチンは何回打っていれば予防効果を期待してよいか、など個人的に疑問に思っていたことにズバリ答えてくれてとても勉強になりました。
小児でよく問題となる、肺炎や尿路感染症についての解説や、抗菌薬ごとの説明に関してもある程度しっかり勉強していたはずですが、それでも知らない役に立つ知識がまとまっており、目から鱗でした。
イメージでいうと、トリセツよりもより”考え方”の部分に重点をおいてくれている印象でした。
小児科後期研修の方は、絶対買って読んでください。
読んでないだけで周りと大きな差が出来てしまいます。
第2位!
2位 ”小児感染症のトリセツ remake”
・10段階評価
★★★★★★★★★☆
・感想
こちらも小児科であれば絶対読んでもらいたい一冊です。
基本的な項目立ては、ほとんど小児感染症の診かた・考え方と同じで、違いは「風邪の診かた」「発熱へのアプローチ」の項がないくらいです。
こちらの良さは「抗菌薬の投与量と投与期間を明記している」ところです。
先ほどの本と違い、当直の時などに「あれ眼窩隔膜前蜂窩織炎って何の抗菌薬だっけ?何日間予定だっけ?」などとちょっと調べるのに使いやすい内容とレイアウトとなっています。
また、書かれている内容も上の本とかぶっていることもあれば、こっちのほうが詳しいこともあるので、比較しながら読むと面白いです。
特に感染性心内膜炎などは、
トリセツ:小児はエコーウィンドウが広く、経胸壁心エコーの感度が成人に比して高い(80%)
診かた・考え方:小児における経胸壁心エコーの感度は25〜50%で、成人よりも感度が低く、さらに複雑心奇形になるほど心エコーの感度は低くなります
と書いてあり、いってることが全く逆です笑
やはり文献や参考書は1つにしぼらず、最終的には自分で何を正しいと考えるかは決めていかないといけないと思います。
第3位
3位 ”最新 感染症ガイド R-BOOK 2018-2021”
・10段階評価
★★★★★★★★★☆
・感想
アメリカ小児科学会が出している感染症の教科書です。
小児の感染症科も内容を参考にしたり根拠にすることも多い教科書で、日本語訳だとある程度読みやすく気になる項目に対して調べて読むととても勉強になります。
やはり米国小児科学会が出してあるだけあり、ワクチンの安全性や有効性に関する内容や、学校保健などの隔離に関する情報なども詳しく書いてあります。
僕は買いましたが1万9千円と高いので、誰かに見せてもらってもいいかもしれません。(僕は2015年版も買ったのでtotal 5万くらいかかりました笑)
第4位
4位 ”小児呼吸器感染症診療ガイドライン2017”
・10段階評価
★★★★★★★★☆☆
・感想
日本小児呼吸器学会と日本小児感染症学会が出しているガイドラインで、2017年のものである程度新しいエビデンスを元にかかれたガイドラインです。
特に、ウイルス性が多いといわれている小児の肺炎における原因微生物での疫学的な割合や、抗菌薬の選択、抗菌薬の投与期間などについて、エビデンスに基づいて勉強できるためとても役に立ちます。
第5位
5位 ”日常診療に役立つ 小児感染症マニュアル2017”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
日本小児感染症学会が2017年に出した参考書で、この本は病原微生物ごとに特徴や臨床症状など詳しく書いてあり、辞書的に使うと他では書いてないような病原体に関する詳しい内容を知れることがあるため、時に開くようにして使っています。
例えば、サルモネラの菌血症を診たときに、すぐにサルモネラ胃腸炎は約1~5%で菌血症を伴う、などの情報にたどりつくことができます。
第6位
6位 ”症例から学ぶ 輸入感染症 A to Z Ver.2″
・10段階評価
★★★★★★☆☆☆☆
・感想
輸入感染症に興味があるため勉強してみました。
成育では外来で海外渡航歴がある方もいるので、
輸入感染症をみたときの問診事項などを詳しく知ることができて勉強になりました。
「渡航地」「潜伏期」「曝露歴」の問診でかなり感染症に迫れる、というところがとても勉強になりました。
第7位
7位 ”ネルソン小児感染症治療ガイド”
・10段階評価
★★★★★★☆☆☆☆
・感想
主に抗菌薬の投与量を調べるときに用いることが多いですが、最近はuptodateで調べることの方が多くなりました。
抗菌薬の量は本当に諸説あるので、自分の信じるものをある程度決めて複数個確認するようにするといいかもしれません。
第8位
8位 ”小児の臓器移植および免疫不全状態における予防接種ガイドライン 2014″
・10段階評価
★★★★★★☆☆☆☆
・感想
小児腫瘍を診ている時に、抗がん剤治療中の子どもや造血幹細胞移植後の子どもなどの予防接種はどうなっているんだろうと思い、買って読んでみました。
こういう世界でもしっかりエビデンスを集めて書いてくれているガイドラインがあるんだなぁと感動しました。
⑥てんかん・けいれん・神経系 15冊
第1位!!!
1位 ”熱性けいれん診療ガイドライン 2015”
・10段階評価
★★★★★★★★★☆
・感想
これは何回も開くガイドラインではないですが、小児科医となるために絶対避けては通れないガイドラインです。
小児科医として、ものすごく頻度が高く、親の心配も強い「熱性けいれん」に対して、疫学的データも含めて正確な知識が必要です。
脳波検査の有用性やダイアップ座薬による予防投薬の推奨などに関して、理解がずれている方も時折みかけるので、しっかり勉強しておくといいと思います。
第2位!
2位 ”初めてのけいれん さあどうするか”
・10段階評価
★★★★★★★★☆☆
・感想
小児救急対応の基本にして真骨頂、けいれん対応に関する参考書です。
成育は上の先生が基本的に一緒にいますが、市中病院の多くでは後期研修医がけいれん重積には対応することになります。
初期対応時に採血で一番大事なのは血糖や電解質、や、
けいれんがまだ続いているかもう止まったかの見極め方、
問診はけいれんの前・中・後を意識しろ、など知っておくべき大事な知識がたくさん詰まっています。
もし少しでもけいれん対応に自信がないのであれば、一度は読むべき参考書です。
第3位
3位 ”小児けいれん重積 治療ガイドライン 2017”
・10段階評価
★★★★★★★★☆☆
・感想
成育では、けいれん重積に独自のプロトコールで対応します。
そのため、一般的なけいれん重積の対応を知らない、成育の量が多いのか少ないのかわからない、自分で薬剤を用意できない、などの方が後期研修3年目でも平気でいました。
施設独自のプロトコールや治療フローチャートは楽なようで、思考停止でもあるので、できるだけ自分で勉強して咀嚼してからフローチャートを覚えるようにするといいと思います。
第4位
4位 ”小児てんかんの最新医療”
・10段階評価
★★★★★★★★☆☆
・感想
成育での後期研修はもちろんいいところも多いですが、てんかんに関してはかなり弱いです。
理由は、自分の外来を長期間持てないこと、てんかんの患者は総合診療科ではなく神経科がみることが多いこと、脳波はカルテでほぼ見れずレポートがついてきてしまうこと、などがあります。
なので、意識しないとてんかんも見れない小児専門医が出来上がってしまいます。
頻度の高いてんかんの臨床像や脳波所見、薬剤治療と予後などは意識的に学んでいくとよいです。
その際にこの参考書は、ある程度しっかり内容がまとまっており、脳波所見の図や薬剤の特徴なども書いてくれているので参考になります。
特に「治療終了と再発」という項目の再発のデータや、治療期間中の定期検査のすすめ方などとても勉強になりました。
第5位
5位 ”子どものけいれん・てんかん 見つけ方・見分け方から治療戦略へ”
・10段階評価
★★★★★★★★☆☆
・感想
外来をみない成育レジデントの宿命ですが、てんかんの長期フォローはとても苦手です。
症候群ごとの特徴や、脳波の読み方からちんぷんかんぷんなことが多いので、少なくとも各症候群の特徴や好発年齢のイメージは持つことから始めるといいと思います。
そういった内容を一番分かりやすく書いている参考書がこの参考書になります。
小児のてんかんを勉強する時によくおすすめされる参考書です。
第6位
6位 ”ねころんで読める てんかん診療”
・10段階評価
★★★★★★★★☆☆
・感想
この参考書は通読しながら、てんかん専門医の考え方や大切にしていることが分かりやすく読めるので、とてもおすすめの参考書です。
むしろ、若手小児科医で自分でてんかん治療をしなければいけないような方には絶対おすすめです。
どういったことがてんかん患者をフォローしていく上で大事なのかが分かります。
また、レベチラセタムやラモトリギンへのイメージや役割がとてもキャッチーに分かりやすく書いてあるので、とても勉強になりました。
第7位
7位 ”フェニチェル臨床小児神経学 原著第7版 日本語版”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
小児神経の先生に教えてもらった、神経症状に特化した鑑別診断の教科書です。
例えば「眼振」とか「筋緊張低下」などといった主訴に対して、どういった疾患が鑑別にあがるのかや確認すべき診察所見や検査所見などを紹介してくれています。
実際、唯一無二の教科書で、時々神経系の主訴の勉強のために読むことがあります。
とてもオススメな一冊です。
第8位
8位 ”小児神経専門医テキスト”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
日本小児神経学会が出しているテキストですが、思ったより詳しくないです。
おそらく全範囲を網羅的に書いてくれているため、参照はするのですが頻度の高い疾患に関しては、それに特化した参考書を読むのが正解だと思います。
第9位
9位 ”実践 小児脳波入門”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
多くの小児神経専門医が、脳波を学ぶならまずこれ、とオススメする名著です。
脳波を実際読みながら、この参考書を開き続けることで簡単な脳波なら読めるようになります。
ただ、やっぱり脳波は数をこなすのが何よりも大事です。
第10位
10位 ”ベッドサイドの小児神経・発達の診かた”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
小児は指示に従えない年齢のことも多く、成人で学んだ丁寧な神経診察が使えないことが多いです。
そんな時に反射をとったり、発達を評価したりするために必要な知識が、網羅的に詳しく書いてあります。
全部覚えきれないことが多いのでその都度参考にするといいと思います。
第11位
11位 ”小児急性脳症 診療ガイドライン”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
急性脳症も頻度は全然多くないですが、時折遭遇する疾患です。
特に頻度的にも典型的な経過・画像的にもけいれん重積型急性脳症などの知識は、小児科専門医としては必要だと思います。
遭遇した時に参照して勉強するときに使えます。使用頻度は高くないので、ネットで無料でみれるのでそちらを活用してもいいと思います。
第12位
12位 ”新版 脳波の旅への誘い 第2版”
・10段階評価
★★★★★★☆☆☆☆
・感想
脳波の基本的な内容から分かりやすく説明してくれていて、他の参考書と決定的に違う点は、読みものとして読めるところです。
脳波のだいたいの雰囲気や苦手意識を減らせるような参考書ですが、これだけで小児の脳波が読めるようになる、というわけではありません。
第13位
13位 ”脳波判読step by step 入門編”
・10段階評価
★★★★★★☆☆☆☆
・感想
小児の脳波をマスターしたくて名著「実践 小児脳波入門」の次の一冊として読みました。
読みながらその都度一緒に脳波もみて勉強していくスタイルなのですが、半分くらいのところで読まなくなってしまいました。
分かりやすくは書いてくれているのですが、やっぱり無機質な感じで飽きてしまって読み切れませんでした。
第14位
14位 ”手軽にとれる 小児神経所見”
・10段階評価
★★★★★★☆☆☆☆
・感想
とても簡潔に、最低限の小児神経所見の取り方について解説されています。
図も多く読みやすく、薄いので通読もしやすいのですが、専門医としては物足りない内容となっています。
初期研修医で興味がある人にはとても読みやすいのでおすすめです。
第15位
15位 ”単純ヘルペス脳炎診療ガイドライン2017”
・10段階評価
★★★★☆☆☆☆☆☆
・感想
これも使用頻度はとても少ないですが、成人と小児に分けてどちらもしっかり解説しており、単純ヘルペス脳炎の症状や予後、どういった患者でヘルペス脳炎を疑い治療開始するべきか、などの大切な内容が書いてあります。
こちらも確かネットで読めるので、そちらで確認してもよいと思います。
⑦画像・放射線科 3冊
第1位!!!
1位 ”小児超音波診断のすべて”
・10段階評価
★★★★★★★★★☆
・感想
小児科は被爆の問題があるため、超音波の腕がとても大事になります。
成育では放射線科をローテーションするときに、大量にエコーを当てることになるのですが、その時にもこの参考書で勉強するとためになります。
逆にエコーをしっかり教えてくれる先輩がいない病院で働いているとしても、この参考書を読んでエコーを当てると勉強になると思います。
かなり網羅性が高くて、内容もしっかりしているのでとてもおすすめです。
第2位!
2位 ”すぐわかる小児の画像診断”
・10段階評価
★★★★★★★★☆☆
・感想
小児は成長に伴って、画像所見が変化していくことがよくあります。
有名な例で言うと新生児・乳児での髄鞘化や、乳突蜂巣の含気、などですが、それ以外にも小児特有の疾患に関する画像なども、この参考書がないと勉強できないことも多いです。
子供の奇形に関する画像なども多く載せてあるため、小児科医として画像の教科書が欲しい場合はこの参考書がおすすめです。
第3位
3位 ”わかる!小児画像診断の要点”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
有名参考書を成育の放射線科の先生たちが訳しているということで購入しました。
レントゲンが多めで、画像以外に疫学的なデータも多い印象です。
⑧小児麻酔 3冊
第1位
1位 ”臨床小児麻酔ハンドブック”
・10段階評価
★★★★★★★★☆☆
・感想
小児麻酔の関する必要な知識や、手技の説明、各外科における手術の注意点など、要点を押さえて解説をしてくれます。
大事な知識は一通り書いてあるため、麻酔の間に読んだりして通読しました。
麻酔専門医ほどはいらないにしても、小児麻酔の知識はおさえておくといいと思います。
第2位!
2位 ”麻酔への知的アプローチ”
・10段階評価
★★★★★★☆☆☆☆
・感想
麻酔科の思考回路を知りたいと読んだ本です。総論的な部分と、小児科の各論を読みました。
何より、病態生理や薬理学、小児の解剖への深い洞察が、小児科医のものを超えていてとても勉強になりました。
小児の喉頭の高さや、酸素消費量の多さ、体液分布に関しても、こんなによく知らなかったので勉強になりました。
時間がある時に理解を深めたいときに読むといいと思います。
第3位
3位 ”MGH 麻酔の手引き”
・10段階評価
★★★☆☆☆☆☆☆☆
・感想
新生児・小児の各論のみ読みましたが、内容はあまり覚えてないです笑
⑨新生児科 9冊
第1位!!!
1位 ”日本版 救急蘇生ガイドライン2015に基づく 新生児蘇生法テキスト”
・10段階評価
★★★★★★★★★☆
・感想
小児科専門医と名乗るなら、NICUの道にすすまないとしても新生児の蘇生は出来る必要があると思います。
成育では後期研修1年目でNCPRの受講が必須ですが、受けにくいところだとしても最初の蘇生に入る前にフローチャートは完全に覚えているとよいです。
内容のボリューム自体はあっさりとしていますが、絶対押さえておかないといけないとても重要な内容なので1位にしました。
第2位!!
2位 ”NICU マニュアル”
・10段階評価
★★★★★★★★☆☆
・感想
以下でも紹介するように、4冊のNICUのマニュアル本を読んだ上で、結局一番詳しく勉強になったのがこのマニュアルでした。
このマニュアルは、施設の垣根を超えて日本全国のNICUの第一線で働く新生児科医が書いたマニュアルのため、やはり内容は詳しいです。
心エコーなども上級医に教えてもらった後、忘れてしまった項目など振り返ってみても一番詳しくて頼りになりました。
ただ、唯一の欠点ともいえるのが「ポケットに入るサイズではない」ことです。
どこかに置いておき、時折参考にする感じで使うことになると思います。
第3位!
3位 ”新生児学入門”
・10段階評価
★★★★★★★★☆☆
・感想
これは、個人的な好みなんですが、病態生理まで理解するのが好きなため上位に入れています。
実務には直結はしないまでも、しっかり読むことでかなり実臨床に知識をフィードバックできます。
去年に第4版の医学的な内容の部分は通読していたのですが、2018年の9月に6年ぶりに新版がでました。
かなり内容が変わっていたので詳しく書くと、
これまでは日本のNICUのパイオニアの仁志田先生がほぼ一人で書いた参考書ということでも特徴的な参考書で、仁志田先生の哲学が体現されたような内容だったのですが、
第5版からは第一線で働いている新生児科の先生も書いていて、より臨床につながるようなスタイリッシュな内容となっています。
呼吸器の項でも、人工呼吸器のモニターの見方や呼吸器の設定についてなども分かりやすく原理から書いてくれてます。
循環の項にいたっては、ほぼ一新してます笑
ただ、改悪されてかというと全くそういうことはなく、むしろ臨床で必要なやや踏み込んだ病態や原理に関するところからの説明がありとても勉強になりました。
個人的には、「仁志田先生の本」から「新生児科の参考書」になってしまったなぁ、と少しだけ悲しくなりました。。。
第4位
4位 ”NICU ベッドサイドの診断と治療”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
意外とネットなどでも情報がないですが、個人的におすすめなNICUの参考書です。
読んでみて感じたターゲット層は「NICUまわり始めの数か月」といった印象で、中心静脈栄養や経腸栄養についても、気になるけど基本的過ぎて他には書いてなかったようなことをしっかり明記してくれていました。
上級医に教わってそんなものかぁと思っていた、日齢・出生体重での標準的な水分量や、末梢のみで管理するときの輸液、高カロリー輸液の組成、経腸栄養の開始や増量についての目安、などなど、1か月もいれば当たり前っしょと言えるような内容も最初はチンプンカンなことが多いと思うので、この参考書を最初から読んでいればなぁと思った参考書でした。
初期研修の時にNICUの経験ほぼないので最初が心配です、という人に特におすすめです。
第5位
5位 ”2015C0STRに基づいた 新生児低体温療法 実践マニュアル”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
新生児の蘇生に入る以上、”新生児仮死”からは絶対逃れることができません。
どんな元気に発育していた胎児でも、出生時のイベントで仮死になりえるからです。
そういった新生児仮死に出会った時に、ちゃんと評価項目を確認しエビデンスに基づいた対応をするために、この本に目を通しておくとよいと思います。
少なくとも、低体温療法の適応の部分は勉強しておきましょう。
第6位
6位 ”新生児診療マニュアル”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
一番有名なNICUマニュアルで、みんながよく困るような内容は基本的に簡潔にまとまっています。
下の東大のマニュアルと、「日本のNICUのポケットマニュアル」の座を争っていますが、どっちも読んでみてどっちがいいという結論は特にありません。
どちらも詳しく書いてある項目、書いてない項目があって、どっちの方が有意に便利だったということはありませんでした。
使い慣れている方とか、施設で周りの人が使っている方、などで選べばいいと思います。
第7位
7位 ”心エコーハンドブック 先天性心疾患”
・10段階評価
★★★★★☆☆☆☆☆
・感想
先天性心疾患のエコーの参考書でとても有名な一冊です。
実際のエコーは高度すぎて一般小児の範囲を超えることも多いですが、NICUで心奇形がないかのスクリーニングで行う区分診断法についても詳しく解説してくれていて、何回か読み込みました。
第8位
8位 ”東大病院 新生児診療マニュアル”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
上の神奈川こども病院のマニュアルに比べて、最近出版されたこともあり、より項目立ては明確で分かりやすい印象があります。
外科疾患に関しても若干だけ詳しかった気がしました。
その他は、一長一短な気がしたので、ポケットマニュアルは好きな方を選べばいいと思います。
第9位
9位 ”胎児心拍数モニタリング講座”
・10段階評価
★★★★★★☆☆☆☆
・感想
必ずしも必要ではないですが、知っておくと産科医の感覚や、胎児心拍数図をみてその分娩がどうなりそうかおおまかに予想できるようになります。
成育の当直では、吸引・鉗子分娩と帝王切開の時に蘇生に立ち会います。
この参考書を読んだ後、モニターとパルトグラムなどの記載を見ながらそのお産に呼ばれそうかどうか予想するゲームを勝手にしてたのですが、最後の方はかなり当てられるようになりました笑
まぁ、基本的にはあまり必要ないですね笑
⑩健診/成長・発達 5冊
第1位!
1位 ”正常ですで終わらせない! 子どものヘルス・スーパービジョン”
・10段階評価
★★★★★★★★★☆
・感想
正直、全小児科医だけでなく、全子育て医師に読んでほしいレベルです。
成育で読んでなかったらモグリです笑 それくらい名著!
正常発達の評価の仕方や、両親への声かけの仕方などが詳しく書いてあってそれでいて読みやすいです。
初期研修医の時に一回全部読んで、再度最近読み直したところさらに深みが出てきた一品でした。
全小児科医におすすめです!
発達に少しでも苦手意識を持っている小児科医は是非読んでください!
ちなみに、僕は医学部時代の元同級生の親友の子どもが生まれたお祝いに贈りました笑
第2位!
2位 ”乳幼児健診マニュアル 第6版”
・10段階評価
★★★★★★★★☆☆
・感想
言わずとしれた名著。適宜改訂されており2019年に第6版になった様子。
確認すべき内容が基本的に盛り込まれており、しっかりまとまっている印象。
健診の前に絶対に復習も兼ねて目を通しています。
小児科なら全員知ってるのではないかというくらい有名な参考書です。
第3位
3位 ”周産期相談310 お母さんへの回答マニュアル”
・10段階評価
★★★★★★★★☆☆
・感想
健診でお母さんから答えに困るような質問を受けたことはありませんか?
お母さんの素朴な質問も含め、1ヶ月健診や3-4ヶ月健診でよく聞かれるような質問に対する答えを、専門の先生がエビデンスを元に回答内容を書いてくれています。
うまく答えられなかった時に一度目を通すと勉強になります。
今まで一個一個答えられないたびに調べていた内容を効率よく勉強できて、とても便利な本でした。
少し高いです笑
第4位
4位 ”お母さんがもっと元気になる乳児健診”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
上記した「乳幼児健診マニュアル」の1つの参考書だけじゃ信じられない!という気持ちで他の健診用の参考書を買って読んでみました。
これも実際の健診の流れをマンガみたいな感じで書いてくれていて、よりリアルに想像でき、初回の健診の時もスムーズに入れます。初めて健診に行く時に是非読んでもらいたい一冊です。
小児科学会の会員ページの健診動画もとてもいいのでぜひ見てみてほしいですが、こちらもおすすめです。
第5位
5位 ”乳幼児の発達障害”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
若手小児科医でも「発達は得意です」と断言できる人は少ないと思いますが、この本は薄いながらも要点をおさえていてとても勉強になりました。
他の参考書ではあまり書いてくれていない「足底過敏」の話や、「よだれが多くて困る」などの症状への対処など、匠の技のような内容が詰まった一冊です。
発達障害の評価は特に幼児期には難しいことが多いですが、小児科医なら知っておくべきようなことが沢山書いてあります。
⑪PICUで役立つ系 6冊
第1位!!!
1位 ”やさしくわかるECMOの基本”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
初期研修でも集中治療はしっかり回っていなかったので、ECMO管理など見たことも勉強したこともなかったが、成育のPICUでは数人担当させてもらったので一から勉強してみました。
ECMOのおおもとの考え方や、注意すべき項目などを原理から勉強することができてよかったです。
一からECMOを勉強したい人にはぴったりの参考書だと思います。
第2位!
2位 ”ICU/CCUの急性血液浄化療法の考え方, 使い方”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
PICUのおすすめ1位と2位ともに小児科に特化した参考書ではないですが、初期研修であまりECMOやCHDFに触れあわなかったので、PICUローテーション中に勉強し直しました。
原理の部分から分かりやすく書いてくれていて、とても勉強になりました。
第3位
3位 ”小児ICUマニュアル”
・10段階評価
★★★★★★☆☆☆☆
・感想
鎮静・鎮痛薬の量などをみるのにたまに使っていましたが、正直成育のPICUではミスが起こらないように用量はセット登録されており、あまり使いませんでした。
第4位
4位 ”INTENSIVIST PICU”
・10段階評価
★★★★★★☆☆☆☆
・感想
急性喉頭蓋炎やクループで挿管する必要のある子どもをみて、difficult airway managementを勉強するために購入しました。
救急外来一人当直で対応するときにどうすべきか、考えながら読んでいました。
第5位
5位 ”INTENSIVIST ICUにおける神経内科”
・10段階評価
★★★★★☆☆☆☆☆
・感想
PICUで、チオペンタールの持続静注でもとまらないけいれんをみて、その時の対応や持続脳波モニタリングについて勉強するために購入しました。
大人での対応がとても勉強にはなりましたが、普通の小児科医には必要はなさそうです。
第6位
6位 ”INTENSIVIST ECMO”
・10段階評価
★★★★☆☆☆☆☆☆
・感想
小児のECMOの項目だけ読んだため、他の内容はほぼ読みませんでしたが、小児のECMOの適応についてそもそも知らないことも多く勉強にはなりました。
⑫その他のおすすめ参考書 11冊
第1位!!!
1位 ”子どものアレルギー アトピー性皮膚炎・食物アレルギー・ぜんそく”
・10段階評価
★★★★★★★★☆☆
・感想
成育のアレルギー科の先生が、アレルギーのある子どもを持つ親に向けて書いた本です。
分かりやすく、アトピー性皮膚炎・気管支喘息・食物アレルギーに関する医学的な内容を解説してくれています。
アレルギー疾患はかなりcommonであるため、いろいろな質問を親御さんから受けます。
そんな親の素朴な疑問に答えようとした本がこの本であるため、一度読んでおくとスムーズにお話しができるようになります。
第2位!
2位 ”こどもの漢方”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
西洋医学をベースに学んできた僕たちは、中医学からの長い歴史を組み、日本で進化していった漢方のことをあまり知りません。
しかし、徐々にエビデンスとして解明されつつある漢方は、自分自身の体験としても、治療した経験としても、効果を実感している人は多いと思います。
僕たちになじみの薄い漢方を分かりやすく解説してくれて、次使ってみようかなと思わせてくれる名著です。
西洋医学では風邪や急性胃腸炎にしてあげられることは少ないが、漢方学では患者に合わせて様々な処方が可能だ、という内容の一文はかなり唸ってしまいました。
第3位
3位 ”見逃せない先天代謝異常(小児科臨床ピクシス)”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
僕は小児科医になりたての時に、
「低血糖時のクリティカルサンプルで代謝異常のスクリーニング検査を出す」や「痙攣重積の時にアンモニア値を確認する」などの意味をあまり分からないまま、ルーティーンとして身に付けていました。
この参考書は、全小児科医に向けて小児科医としては当然出会い得る「先天性代謝異常」の見つけ方、緊急対応の仕方などを書いてくれています。
色々な症状をきたし得るし、色々な検査結果が出うるので、しっかり勉強する必要があるなと感じました。
低血糖や高アンモニア、代謝性アシドーシスなどの時の鑑別の仕方などとても勉強になる内容ばかりで、とてもお勧めです。
第4位
4位 ”がん化学療法副作用対策ハンドブック 第3版”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
僕は、小児科後期研修で小児腫瘍をみる時に使いました。
小児科はもちろん抗がん剤を使い慣れているわけもなく、研修中に自分の患者が使っている抗がん剤ではどういった副作用に注意して診察しないといけないかを勉強しながらすごしていました。
その時にこの参考書を使ったのですが、使いやすさ抜群です!
「消化器毒性」「味覚障害」などと症状別に項目立てしてあり、どういった抗がん剤でどういった時期にどういった症状が出やすいかなどを書いてくれていてとてもまとまっています。
元々大人のがん治療のためのハンドブックなので、抗ガン剤を使う全ての科の先生が参考に出来ると思いました!
特に研修医で抗がん剤ちんぷんかんぷんの時などの最初の勉強としても良いかもしれません!
第5位
5位 ”図解 先天性心疾患 結構動態の理解と外科治療”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
成育は、小児の心臓外科もしっかりしているため、先天性心疾患の術後の方も多く対応することになります。
先天性心疾患は、全く血行動態が想像できないことが多いため、多くの図を使って説明してくれるこの参考書は分かりやすいです。
ただ結局、心臓外科の先生の手術記録を読むのが術後の血行動態を把握する上では一番よかったです。
第6位
6位 ”新生児マススクリーニング対象疾患等診療ガイドライン2019″
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
先天性代謝異常のことや、代謝救急の勉強をするために購入しました。
後期研修医が当直で一人で対応しても全くおかしくない「代謝救急」のことがしっかり書いてあって勉強になりました。
「高アンモニア血症」など本物に出会った時にもしっかり対応できるように、少なくとも1回は勉強しておいた方がよいなと思いました。
また、マススクリーニングで疑われた時の対応や診断後の治療方法などもしっかり書いており、小児内分泌の専門の先生方も読まれているんだろうなと感じる一冊でした。
第7位
7位 ”がん治療薬まるわかりBOOK”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
僕は小児科医で、小児腫瘍のローテーション中に、抗がん剤が分からな過ぎて買って読んでいました。
元々はこの本や看護師さんなどに向けて書いてあるので、僕と同じように抗がん剤が分からない研修医などではとても勉強になる本だと思いました。
そもそも、どういった機序のどういった特徴の抗がん剤なのかなどは、この本で抗菌薬を覚えた時のように逐一参照して勉強していくといいと感じました。
第8位
8位 ”小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
外来をしていると、思ったより多くの子どもが便秘による嘔吐や腹痛で受診し、時には救急車で運ばれてくることすらあります。
一時的には浣腸で治せても、繰り返している子に何ができるのか、
そう思ってガイドラインを購入してみましたが、
結論はあまりエビデンスのあることはない、ということでした。
水分摂取はおすすめしたことはあったが、それもエビデンスはないようであり、じゃあいったいどうすればいいんだろうという疑問だけが残るガイドラインでした。
第9位
9位 ”原発性免疫不全症候群診療の手引き”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
小児科では、易感染性などから原発性の免疫不全が見つかることも決して稀ではありません。
そういった時にスクリーニングで検査を出しますが、各疾患でどういった異常が出てどういう風に診断していくのかが詳しく書いてあります。
ある1つの疾患を疑った時に、その疾患の臨床像を掴む時などに使いやすいと思います。
あまり分かりやすく解説してある参考書が少ないので、とても勉強になる1冊です。
第10位
10位 ”自己炎症性疾患・自然免疫不全症とその近縁疾患”
・10段階評価
★★★★★★☆☆☆☆
・感想
この参考書は、ある免疫不全のことを調べたくて購入しました。
そもそもなぜ自己炎症性疾患が免疫不全と一緒にまとめられているのか、という疑問から総論の部分で書いてくれており、とても勉強になりました。
ただ、マニアックな疾患も多く載っているので辞書的な使い方になると思います。
第11位
11位 ”はじめて学ぶ小児血液・腫瘍疾患”
・10段階評価
★★★★★☆☆☆☆☆
・感想
個人的に、血液腫瘍科を回っている時に腫瘍について勉強したくて参考書を買っていたのですが、この参考書の内容はどちらかというと「小児腫瘍の専門医ではない小児科医」に向けた参考書でした。
なので、僕の目的と違ったのであんまり読みませんでした。
どういった時に腫瘍を疑うべき?などの症候学などが書いてあるため、そういった内容が読みたい人にはお勧めです。
ただ単に僕の目的にかなわなかったというだけで星5個にしていますが、目的を持って読めばいい本の可能性はあります。
⑬初期研修から継続して使える参考書 9冊
第1位!!!
1位 ”より理解を深める!体液電解質異常と輸液”
・10段階評価
★★★★★★★★★☆
・感想
小児でも時に低Na血症や高K血症に出会いますが、考え方の根本は成人と同じで、電解質異常に関してはこの参考書が詳しさや分かりやすさがダントツだと思います。
結構電解質異常の鑑別や解釈、対応に関しては忘れてしまうことも多いのでこの参考書で復習することも多かったです。
第2位!
2位 ”わかってきたかも「医療統計」…だけど論文読めません!!”
・10段階評価
★★★★★★★★☆☆
・感想
初期研修で論文を読みなれておらず、論文ってとっつきにくい!とかメタアナリシスって結局どう読むの?とか思っている人に是非オススメの参考書です。
数時間で読めるわりに、観察研究・RCT・メタアナリシスなどそれぞれの読み方や読むときの注意点などを、実際の論文の一部を読み解きながら勉強していきます。
まずはPICOだけ把握してみる、アブストラクトと表だけでも読んでみる、などとかなり実践的な読み方を学べるのでとても勉強になります。
まだ読んでない人、論文を読むのに抵抗がある人は是非読んでみてください!
第3位
3位 ”抗菌薬の考え方、使い方”
・10段階評価
★★★★★★★★☆☆
・感想
2018年にVer4が出ていますが、小児の抗菌薬の使い方の項が削除されているのでそちらは紹介しませんでした。
ESBLやAmpCが何か忘れてしまった時に読んだり、小児の抗菌薬の使い方の項を改めて読んだりと、なんだかんで復習するとしっかりいいことが書いてあって、納得しました。
初期研修の時は初学者にはものすごく不向きな参考書だな、という印象だったのですが、使い込むにつれて味がでてきました。
第4位
4位 ”考える腎臓病学”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
これも腎臓の働きは不変、という意味で小児を専門にしてからも事あるごとに読みなおした一冊でした。
もともと、個人的に病態からしっかり理解するのが好きなので、腎臓の働きを糸球体や尿細管、さらにはその中のチャネル、そしてどの薬がどのチャネルに働くのか、などまで詳しく解説してくれるこの参考書はとても役に立ちました。
第5位
5位 ”やさしイイ胸部画像教室”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
成育は胸部X線にまで放射線科の読影がつく、とても珍しい病院です。
しかし、そのせいかどんどんと画像診断がレポートに頼ってしまうようになります。
そんなときに自分の読影能力を上げるために、この参考書はとてもよく、特にシルエットサインからの病変の肺区域の推測法などの忘れてしまう知識について復習することが多かったです。
第6位
6位 ”MRIに絶対強くなる撮像法のキホン Q&A”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
この参考書もMRIが苦手な研修医の時から復習し続けていて、今年でやっとMRIの撮像法の特徴や仕組みをそらで後輩に説明できるようになりました。
STIRやfat sat、SWIや、T2 shine-throughなど、ぱっとこたえられますか?
心配な人は、優秀な後輩が入ってくる前にこの参考書で復習しておくといいと思います。
第7位
7位 ”異常値の出るメカニズム”
・10段階評価
★★★★★★☆☆☆☆
・感想
検査値がそもそもどういったものを測定しているか、といったところから説明があり、そのためどういった時に上昇や低下するのか分かりやすくなります。
たとえば、ALPはどこの組織に分布していて、どういった時に上昇しうるのか、などについて詳しく書いてくれており、とても勉強になります。
これは小児科になっても変わらず大事な知識なので、必要に応じて調べるようにしています。
第8位
8位 ”神経内科ハンドブック”
・10段階評価
★★★★★★☆☆☆☆
・感想
神経内科専門医のバイブルともいえる参考書なだけあって、小児期に発症する神経内科の疾患に関してもしっかり記載されています。
例えば、筋ジストロフィーや脊髄性筋萎縮症、ギランバレー症候群などです。
意外と他の参考書や教科書で記載がなく、この参考書を頼りにすることがいまだにあります。
第9位
9位 ”レジデントのための感染症診療マニュアル”
・10段階評価
★★★★★★☆☆☆☆
・感想
この本は研修医時代ほどは参照しませんが、時折開いて読むことがありました。
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以上です!!!
興味があったので、この記事の108冊の参考書の合計金額を計算してみると、
79万円でした!!!
初期研修医の時に購入した参考書の総額が76万円だったようなので、
医師4年間で購入した参考書は155万円分ですね!笑
なかなかインパクトのある数字になってきました笑
正直、1つ1つの参考書に感想をつけて、こうやって記事にするのはとても骨の折れる作業です。
ただ、2つ下の小児科後期レジデントの後輩たちが入職してきて、
全国にも同じように4月から小児科を志して働き始めた人たちがたくさんいると思うと、少しでも勉強しやすくなるようにと思って、頑張って書き上げました!
小児科医として一緒に、
「全ての子どもが笑顔になるまで」
頑張りましょう!
布施田泰之
はじめまして。
初期研修2年目のヴィクトリカと申します。
いつもためになる記事をありがとうございます!
突然のご連絡申し訳ありません。
私も小児科志望なので、いつも先生の記事を楽しく拝読しております。
後期研修先を決める時期になってきたのですが、コロナの影響でどこも見学できず、もし可能であれば成育医療センターについて教えていただきたいと思い、お忙しいなか図々しいのですが、コメントさせていただきました。何卒ご検討よろしくお願いします。